バブルが崩れると状況は全く一変した。ついこの間までの労働力不足がまるでウソのように、労働市場は一転して労働力過剰、そして若年者の失業が懸念される状況になったのである。こうした極端な変化の背景にもやはり日本の企業の独特な行動パターンと雇用制度が強く影響していると思われる。バブルの時代に膨張しつづけてゆくかに見えた需要をあてこんで、多くの企業が莫大な設備投資をしたが、設備が完成した頃にバブルが崩れはじめた。
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設備投資には多額の費用がかかっておりそれが固定費として経営を圧迫する。しかも株価の騰勢は終り、株価の値崩れがはじまったために、エクイティファイナンスで調達費ゼロで集めたと思っていた資金が実は莫大な償還費のかかる借金となった。そのため企業の最大の関心はいかに営業コストを削減するかに注がれる事になった。銀行もバブルの崩壊で大打撃を受けた。巨額の貸付金のもとになっていた担保の価値がバブルの崩壊で激減をはじめたのである。多くの企業や個人の担保が貸付金以下の額に下り、銀行は膨大な不良債権、回収不能債権をかかえる事になった。銀行経営のためには貸出しをふやしたいが、まともな企業は過大な設備をかかえて新規の資金需要はない。担保割れをしている顧客には資金需要はあるが、こんなところに貸せば不良債権がふえるのは目に見えているから審査は厳しくしなくてはならない。その結果、資金が廻らなくなり、日本経済の不況はさらに深刻化した。