一部専門分野は外国頼みになるかもしれない

2011.12.02

楽観的に日本経済や雇用を捉えるビジネス書、それとは真逆ですごく悲観的に日本経済を捉えて「失業率は10%を軽く超える」というような予測をする書籍と異なって、現実的にあり得るシナリオを示そうと心がけたつもりである。その意味では、正社員リストラについてはそれほど悲観的なシナリオを示すことはなかった。現実に、大企業でさえ採用抑制で正社員を減らしてきたこと、人口減少で正社員が足りなくなっていることを考えると、正社員にまで露骨なリストラが及ぶとは考えにくい。当面、給料カットなどで対応するところが多いのではないだろうか。もちろん、金融危機が世界大恐慌にまで発展すれば、こんな私の予想は大嘘だったということになるだろうが、今のところは一部の企業にしか正社員リストラの動きは見えない。それも工場閉鎖などに伴うブルーカラーの正社員リストラはあるが、ホワイトカラー正社員のリストラはそれほど耳にしない。ただし、少ない正社員がクビにならなければならないほど、正社員とその他の非正社員などの労働条件や安定度の差はますます顕著になり、「どうして、正社員だけ恵まれているんだ」という声が強くなることは間違いない。他方で、少なくなる正社員は長時間労働に追われてますます劣化していく。そして、社会全体として見れば、人口が減少していく中で、介護や医療や先端産業などの分野には必要な労働力が集まらずに、人手不足基調が続くということになる。もしかしたら、介護はインドネシアに依存し、医療はフィリピンに依存し、ITはインドに、経営は中国に依存するという事態にならないとも限らない。