そもそも間接差別に関する各国の制度の共通項をみると、(1)外見上は性中立的な基準が、異なる集団に与える影響の違いについて、(2)不利益な影響をこうむっている集団に属する人がその事実を申し立てれば、(3)使用者が問題となっている基準等に正当性があることを証明できない以上、間接差別が認定されるというものになっている。つまり、使用者に差別意図が存在したかどうかは問題ではなく、労働者は使用者の差別意思を証明する必要はない。
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そして、間接差別と直接差別の違いは、基準が単一であるか(間接差別)、それとも二つのもので性により異なっているか(直接差別)によるとされる。申立人が別の性別や人種であったとしたら異なる条件や要件が適用されたはずだという場合や、異なって取り扱われたはずだという場合は直接差別の事案であるとされる。直接性差別は、あくまで個人に焦点をあてて差別意図の証明を要求するものであると同時に、適用される「物差し」が男性規範であっても、これを除去することまでは及ばない。これに対して間接性差別の法理は、立証困難な差別意図を問わず、「男性規範」からもたらされる不利益な効果や、女性が満たしにくい条件に焦点をあてて、個人ではなく、グループとしての女性に対する影響を判定することによって差別を発見する。だからこそ、「形を変えて生き残る」差別の性質にもかかわらず、差別を根絶する手法として有効性が認められる。このように、間接差別の法理は、意識化されない人々の偏見・固定観念・性役割に基づく差別を可視化し、不合理なものは取り除いていくという手法であり、そうした手法の側面こそ大事にされる必要がある。