配転に関する法的ルール

2011.12.16

労働法のルールのなかには、終身雇用率年功型処遇などを前提として、労働者の論理が会社の論理に吸収されることは問題なしとして構築されていたものが多かった。たとえば、社員の担当職務の変更や部署替えについては、会社側に広い範囲の決定権を認めるというルールがその代表例である。社員にいかなる仕事をさせるかについては、通常、会社が一方的に決定してようとなっている。こうした権限を指揮命令権という。労働契約は「使用者に使用される契約」なので(労働契約法6条)、会社からの指示、すなわち指揮命令がなければ始まらないのである。

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もちろん、こうした指揮命令が濫用的なものであってはならない。社員の人格的利益を侵害するようなものであれば、権利の濫用となる。役職経験のあるベテラン社員に、新人の女性社員のやるようなお茶くみ作業を命じれば権利の濫用となるであろう。違法な作業に従事させる命令や当初の契約で予定されていない危険・有害な作業に従事させる命令にも、社員は従う必要はない。しかし、そのような例外的な場合を除くと、社員たるもの、会社の命じた仕事に従事しなければならないのは当然なのである。もっとも、これが場所的な移動をともなうもの、すなわち転勤であれば、若干、事情は異なる。